【4月12日 AFP】英中央刑事裁判所(Old Bailey)は11日、ロンドン(London)で2011年8月に発生した大規模暴動の際、築140年以上の歴史ある家具店に放火し焼失させた男(34)に対し、放火と住居侵入の罪で禁錮11年6月を言い渡した。英国で放火で有罪となった場合の最高刑は終身刑だが、10年を超える実刑判決が下される例はまれ。

 暴動で略奪行為に加わったゴードン・トンプソン(Gordon Thompson)被告は前年8月8日、ロンドン南部クロイドン(Croydon)の家具店「ハウス・オブ・リーブス(House of Reeves)」に放火。店舗は全焼し、近隣の建物に燃え広がった。

 この店舗は築140年の歴史を持ち、ロンドンの交通地図にも載っている地元の名所だった。同家具店が炎上する様子は大暴動を象徴する場面となり、向かい側の建物の2階から女性が飛び降りる様子は世界に配信された。

 トンプソン被告の行いについて判事は「計画的で故意の犯行であり、衝撃的で危険な破壊行為」と断定。「リーブス一家は先祖代々受け継いできた由緒ある商売を失った。失われたものは金ではあがなえないもので、一家の心的外傷は計り知れない」と述べた。

 法廷によると、5世代にわたって家具店を営んできたリーブス家が放火によって被った損失額は300万ポンド(約3億8600万円)に上るという。(c)AFP

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