【4月9日 AFP】中国・湖南(Hunan)省で、17歳の高校生が腎臓を違法手術で摘出・売却し、受け取った金で米アップル(Apple)の多機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)」やタブレット型端末「iPad(アイパッド)」を購入していたことが分かったと、国営新華社(Xinhua)通信が6日報じた。

 少年はインターネットのチャットルームで取引を持ちかけられ、前年4月に両親の同意無しに腎臓摘出手術を受けた。腎臓の代金として2万2000元(約28万円)を受け取ったという。少年は現在、腎不全などの健康悪化に苦しんでいると伝えられている。

 この事件をめぐり、中国当局は違法臓器取引と故意の傷害の容疑で外科医など5人を逮捕した。容疑者の1人は賭博で金に困っていた男で、少年と病院関係者を仲介し、22万元(約284万円)を受け取ったとされる。

 中国衛生省の統計によれば、同国内で臓器移植を必要としている人は150万人なのに対し、実際に行われる移植手術の件数は年間1万件ほど。この臓器の大幅な供給不足が、闇取引市場の拡大につながっているとみられている。

 3月には、臓器移植のドナー(臓器提供者)不足のため、死刑囚が臓器の主要な供給源となる状況が続いているとの中国衛生省の黄潔夫(Huang Jiefu)次官の発言がメディアで伝えられた。国際人権団体などは、中国当局が死刑囚本人や家族の了承なしに移植用の臓器を摘出しているとして非難しているが、中国側はこれを否定している。(c)AFP

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