【3月23日 AFP】ニュージーランド警察は23日、オークランド(Auckland)のニューリン(New Lynn)地区で麻薬合法化運動の拠点となっていた通称「大麻クラブ」を強制捜査し、マリフアナの自動販売機を押収したと発表した。

 マリフアナ自販機は、ニューリン郊外のダクトリー(Daktory)の工場跡に作られた「大麻クラブ」敷地内に設置されていた。クラブ関係者がAFPの取材に明かしたところによると、マリフアナ1グラムが入った袋を1つ20NZドル(約1350円)で販売していたという。

 警察発表によれば、22日夜の強制捜査ではマリフアナ自販機のほか、現金2万7000NZドル(約180万円)、大麻700グラム、吸引用パイプなどを押収し、4人を逮捕した。

 この画期的なマリフアナ自販機についてはこの数日、ニュージーランド・メディアが「おもしろいニュース」として好意的に報道していた。しかし警察側はこれを麻薬取締法違反と判断し、強制捜査に踏み切った。捜査官の1人は「どこであれ、いかなる形態であれ、それが麻薬法に違反する行為なら警察は速やかに行動する。警察が手心を加えることははありえない」と語った。

 ニュージーランドで大麻は違法だが、複数の調査では酒とタバコに次いで高い人気があるとの結果が出ている。

 AFPは強制捜査が入る直前、大麻支持活動家のジュリアン・クロフォード(Julian Crawford)氏にインタビューしていた。同氏によると、ダクトリーの「大麻クラブ」は、少量の大麻所持は合法とされるオランダ・アムステルダム(Amsterdam)の大麻カフェを模倣したもの。集まる人々は基本的に身元を明かさず、「犯罪組織と関与したくはない人々が安全に大麻を入手する方法」であり、「同好の士」と交流する場だと同氏は説明していた。また、18歳以上限定という厳しい年齢制限を設けていると述べていた。(c)AFP