【2月29日 AFP】企業年金運用会社「AIJ投資顧問」から約1850億円の年金資産の大半が消失した問題で、厚生労働省は28日、影響は最大88万人に及ぶと発表した。

 厚生労働省によると、84基金がAIJに1850億円の資金を委託しており、54万人が加入していた。これに加え、34万人以上の受給者が現在すでに年金を受け取っている。

 報道によると、同社は巨額の年金資金を消失させながら、顧客には年間最大240%の利回りを誇っていると虚偽の報告を続けていたという。同社は前週、業務停止命令を受けた。また、金融庁は国内の同業他社260社の調査に乗り出した。

 AIJは1989年に設立されて以来、一貫して高い運用益を標榜してきた。だが関係各省庁は、同社が委託されていた年金資金の大半を消失したとみている。 

 資金消失の原因が金融危機によるものか、他の目的に資金を運用したせいかどうかは明らかにされていない。(c)AFP