【12月24日 AFP】今年5~6月にドイツを中心に相次いだ食中毒の感染源と疑われたキュウリを生産したスペインの企業が、ドイツ・ハンブルク(Hamburg)市にある裁判所に、同市の保健・消費者保護部局を相手取って230万ユーロ(約2億3400万円)の損害賠償を求める訴えを起こしていたことが分かった。

 裁判所の広報担当者は、果物と野菜の有機栽培を行っているスペイン企業Frunetが11月末に提訴したことを確認した。提訴されたことについてハンブルク市の保健・消費者保護部局は、Frunetのキュウリへの警戒を呼びかけたのは必要かつ正しい措置だったという声明を発表した。

 腸管出血性大腸菌(EHEC)によって引き起こされたこの食中毒で、ドイツで50人、スウェーデンで1人が死亡した。ドイツは後にスプラウト(新芽野菜)が感染源だったとしたが、当初ハンブルク市当局がスペイン産キュウリを感染源として疑ったことから、スペインをはじめ欧州各地のキュウリ生産者は欧州全域で大幅な売上減少に見舞われた。

 欧州連合(EU)は、食中毒騒ぎで店頭から姿を消したキュウリ、トマト、レタス、ズッキーニ、ピーマンの欧州域内の生産者に2億2700万ユーロ(約230億円)の補償金を支払っている。(c)AFP

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