【12月14日 AFP】イタリアの古都フィレンツェ(Florence)で13日、白人の男が白昼の市場でセネガル人露天商に向けて突然発砲し、2人を殺害、3人に重傷を負わせた後、自殺する事件が起きた。

 男は、極右のイタリア人作家、ジャンルカ・カッセリ(Gianluca Casseri)容疑者(50)。目撃証言によると、カッセリ容疑者は市北部にあるダルマツィア広場(Piazza Dalmazia)の露天市に車で乗り付け、静かに車を降りると突然、銃を3発撃った。露天商2人が即死、1人が重傷を負った。

 続いて同容疑者は、市中心部の人気観光スポット、サン・ロレンツォ(San Lorenzo)市場へと移動し、さらに2人の露天商を銃撃した後、警察が取り巻くなか銃を自分に向け、自殺した。

 地元警察の発表によれば、ダルマツィア広場で負傷した露天商は命に別状はないものの、障害まひが残る重傷。サン・ロレンツォ広場で撃たれた2人も、腹部や胸部を負傷しており、重体という。事件を受け、フィレンツェ市内では怒ったセネガル人ら200人ほどが抗議のデモ行進を行った。

 カッセリ容疑者はトスカーナ(Tuscan)州ピストイア(Pistoia)在住で、魔術師や錬金術師を題材にしたファンタジー小説などの著作がある作家。ドラキュラ伝説に関する学術論文を執筆したり、ファンタジーやホラー作品を紹介する雑誌の編集者もしていた。また、極右組織の中でも知識人・文化人が集まるグループ、Casa Poundに所属していた。(c)AFP/Dario Thuburn