【12月1日 AFP】米フロリダ(Florida)州の警察は先週、無免許で美容整形を行い、患部にセメントなどを注入して健康被害をもたらしたとして、オニール・ロン・モリス(Oneal Ron Morris)容疑者と助手を逮捕した。

 警察によると、モリス容疑者は自らを美容整形外科医と称し、ヒップのボリュームアップやほおやくちびるをふっくらさせる施術を同州の自宅などで安価に提供していたが、性転換者を中心とする患者の体にタイヤのパンク修理用のエアロゾルや強力瞬間接着剤、セメントを混ぜたものを注入していた。男性であるモリス容疑者本人も同じ溶剤をヒップや胸に注入し、女性として暮らしていた。

 フロリダ州の保健当局に、被害者からの苦情が寄せられ始めたため、警察が捜査を開始。逮捕の直接のきっかけとなったのは、2010年5月にモリス容疑者から施術を受けた女性が肺炎と細菌感染で病院に入院したことだった。だが、女性が名乗り出ることを拒んだため、逮捕までには1年以上を要した。

 別の被害者は先月28日、マイアミ(Miami)のCBS4テレビで、正規の美容整形外科医にシリコンを注入された場合にはあり得ない低価格でモリス容疑者からくちびる、ほお、あごの手術を受けたことを明らかにした。だが、結局は正規の医師に手術をやり直してもらう結果になったという。この患者は「でもまだ、こんな状態なんですよ」と言って、変形した自分の顔を指した。

 なお、モリス容疑者と助手は保釈されたという。(c)AFP