【11月30日 AFP】77人が犠牲となった7月のノルウェーの爆破・銃乱射事件を起こしたアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)容疑者(32)について、犯行時に妄想型統合失調症だったとする精神鑑定結果が29日、オスロ(Oslo)の裁判所に提出された。

 2人の精神科医は、13回、計36時間の面談を行い、243ページの鑑定報告書をまとめた。それによると、容疑者は妄想型統合失調症を発症していた。この患者は、妄想の世界に浸り、思考や行動はすべて妄想に支配されるようになる。容疑者は、壮大な妄想の中で、誰が生きるべきか死ぬべきかを自分が決めなければならないと信じ込んでいた。

 容疑者は、「(自分の支配下にある)人々への愛ゆえに処刑を行った」と証言している。

 検察当局は同日、鑑定結果が裁判所の法医学理事会で認められれば、禁錮刑ではなく精神科の治療施設への強制収容を求める考えを明らかにした。収容期間については「生涯」になる公算が大きいと、ある検察官は話した。

 ブレイビク容疑者は7月22日、オスロの政府庁舎前で自動車爆弾を爆発させて8人を死亡させたあと、サマーキャンプが行われていたウトヤ(Utoeya)島に渡って銃を乱射し、69人を殺害した。(c)AFP/Pierre-Henry Deshayes