【11月19日 AFP】フィリピンの警察は18日夜、マニラ(Manila)の病院で、入院中のグロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)前大統領(64)を逮捕した。アロヨ氏は2007年の上院議員選挙で選挙妨害を行った疑いがもたれており、有罪となれば終身刑が科せられる可能性もある。

 逮捕状を執行したジェームズ・ブカヨ(James Bucayo)警視正は病院で記者団に対し、アロヨ氏の病状が回復するまで身柄の拘束はせず、アロヨ氏の病室前に警官を立たせると述べた。

 アロヨ氏は15日、持病の頚椎(けいつい)疾患の治療を海外で受けるとの理由でマニラの空港から出国しようとしたが、政府が出国を認めなかった。アロヨ氏の逮捕は、ベニグノ・アキノ(Benigno Aquino)大統領が進める前大統領の不正追求のハイライトになった。

 レイラ・デリマ(Leila de Lima)法相は、マニラの裁判所がアロヨ氏に逮捕状を発行したことを受け、アロヨ氏はフィリピン国内で選挙妨害の容疑と向き合わねばならないと述べたとともに、事件はフィリピンの選挙制度だけでなく民主主義の根幹に関わるもので、フィリピン国民に正義がもたらされることを望むと語っていた。

 フィリピン2人目の女性大統領で、現在は下院議員であるアロヨ氏は、2001年から2010年半ばまでの大統領在任中に贈収賄や選挙妨害などさまざまな汚職に関与したと指摘されていた。

 アロヨ氏の側近によると、同氏は骨の病気のため今年に入ってから3回手術を受けたが、いずれも失敗に終わったという。(c)AFP/Cecil Morella

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