【10月18日 AFP】クレジットカードの個人情報を利用して、映画情報サイトに年齢を暴露されたとして、米女優が同サイトを運営する米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)を相手取り、100万ドル規模の損害賠償を求める訴訟を起こした。女優の氏名は公表されていない。

 テキサス(Texas)州在住のこの女優は米ワシントン(Washington)州西部地区連邦地裁に、不正行為、契約違反、プライバシーの侵害、消費者の権利の侵害などでアマゾンを訴えた。

 訴えによると、このアジア系の女優は、米国人風に名前を変え、映画に配役される機会を増やすために年齢を隠していた。同女優のプロフィールは2003年以来、無名の女優としてアマゾン傘下の映画情報サイト「IMDBInternet Movie Database)」に掲載されていた。

■女優が受けた2重の不利益

 女優は露出を増やそうと、2008年に「インサイダー情報」を有料会員に提供する「IMDbPro」に登録した。サービスに加入するために、女優はクレジットカード情報をIMDBに伝えなければならなかった。

「IMDbProに登録してすぐに、原告はIMDBの自分のプロフィール欄に出生日が追加されたことに気づいた。見た目よりも年齢がずっと高いことが公開されてしまった」と、原告側は訴状で述べた。「エンターテインメント業界では若さこそが何よりも重要。老いているとみなされると、たとえば40歳近いとみなされると、原告のような有望な女優が仕事を得ることは、ほぼ不可能になる」

 女優は、クレジットカード情報を調べられて年齢が突き止められたと考えている。またプロフィールを削除するよう求めたものの、ウェブサイト側に拒否されたという。

 原告側は、実年齢を暴露されたことでエンターテインメント業界での雇用の機会や収入を奪われた一方で、実年齢よりもかなり若く見えるために40歳代の役に応募してもいつも役を得られないという2重の不利益を被ったと主張している。

 アマゾンの広報担当者、メリー・オサコ(Mary Osako)氏は、AFPの取材に対し、「現在進行中の裁判についてはコメントをしない対応を、アマゾンは長年とっている」と述べてコメントを拒否した。(c)AFP