【10月10日 AFP】米政府が、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」のボランティア男性の電子メールデータを当人に告げずに開示することを、小規模インターネットプロバイダーと米グーグル(Google)に命じる裁判所命令を得ていたと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street JournalWSJ)が9日伝えた。

 WSJ紙は入手した資料を示し、プロバイダーのソニック(Sonic)が、ウィキリークスのボランティア、ジェイコブ・アップルバウム(Jacob Appelbaum)氏(28)の電子メールのデータを手渡すことを余儀なくされたと報じた。

 ソニック側は命令を拒否したものの法廷闘争に敗れ、アップルバウム氏が過去2年間に電子メールで連絡を取り合った人の電子メールアドレスのデータを当局に手渡さざるをえなかったと述べている。

 アップルバウム氏はこれまでのところ犯罪の嫌疑はかけられていない。グーグルとソニックはともに、裁判所命令について本人に告げるべきだと要求したという。

 米当局は、電子通信プライバシー法(Electronic Communications Privacy Act)のもと、電子メールや携帯電話などを使ったデジタル通信に関する情報を入手することが可能だ。今回、非公開の裁判所命令が明らかにされたことを受け、同法が憲法の定めた捜査や押収からの保護に違反しているのではないかとの疑問の声が上がっている。(c)AFP