【9月21日 AFP】メキシコ東部ベラクルス(Veracruz)州で20日、2台のトラックの中から少なくとも35体の犯罪組織構成員の遺体が発見された。

 州都ハラパ(Xalapa)で記者会見した同州のレイナルド・エスコバル(Reynaldo Escobar)検察官によるとガード下の道路に駐車されていたトラックから男性23人、女性12人の遺体が見つかった。これまでに身元が判明した犠牲者は全て、殺人、誘拐、麻薬取引などの犯罪歴があった。

 遺体が見つかる前日には、同州内にある3か所の刑務所から、少なくとも32人の受刑者が脱獄していた。当局によると、そのうち再逮捕されたのは14人にとどまっている。

 エスコバル検察官は、発見された遺体は前日の脱獄囚のものではなく、全員が同じ犯罪組織に属していたと述べた。検察官は組織の名称などについては明かさなかった。

 同州では今年、隣接するタマウリパス(Tamaulipas)州から入ってきた複数の犯罪グループが麻薬密売組織「セタス(Zetas)」を襲う事件が増えていた。セタスは、「殺し屋」となったメキシコ軍特殊部隊の元兵士らによる組織で、ライバル組織との抗争やメキシコ軍との戦闘が進行する中で、熟練のガンマンをそろえるために組織的な脱獄に関与しているとみられている。

 メキシコでは麻薬がらみの襲撃や犯罪組織間の抗争が激化しており、取り締まりのため軍の投入に踏み切った2006年以降、3万5000人が死亡している。(c)AFP