【9月21日 AFP】米バージニア(Virginia)州在住の28歳の男性がトイレに隠しカメラが設置されていたとして、スターバックス(Starbucks)に300万ドル(約2億3000万円)の損害賠償を求める裁判を起こしている。

 AFPが20日に入手した訴状の写しによると、男性は今年4月、家族旅行でワシントンD.C.(Washington DC)を訪れ、ホワイトハウス(White House)から数ブロックの所のスターバックスに入った。トイレに行った5歳の娘が隠しカメラを見つけたため、男性はただちに店のマネージャーに苦情を入れた。

 通報を受けてトイレを封鎖した警察は洗面台の下のU字の排水管に取り付けられていたカメラを発見し、指紋を採取したのち、証拠品として押収したという。

 男性は「プライバシー侵害」「従業員の採用・訓練・監督における過失」「精神的苦痛を故意に与えた」などとしてスターバックスを相手取り、100万ドル(約7600万円)の損害賠償と、200万ドル(約1億5300万円)の懲罰的損害賠償を求める裁判をコロンビア地区地方裁判所に起こした。男性は陪審裁判を行うよう求めている。

 男性はABCニュースに対し、「屈辱的な思いは今も消えない」と述べ、トイレにいる娘の隠し撮り映像が「ネットで世界中にばらまかれていたかもしれない。娘は性犯罪に巻き込まれていたかもしれない」と怒りをあらわにした。

 スターバックスはこの件に関してコメントを出していない。地元週刊紙Washington City Paperは、スターバックスは男性が従業員の過失を証明できないことを盾に、訴訟を取り下げさせようとしていたと伝えている。

 スターバックスをめぐっては昨年5月、カリフォルニア(California)州の店舗で少なくとも40人の女性を隠し撮りしたとして男が逮捕されたほか、今年6月にもフロリダ(Florida)州の店舗に隠しカメラを設置したとして別の男が逮捕されている。(c)AFP