【8月30日 AFP】「キング・アーサー(アーサー王、King Arthur)」を名乗る英国人のドルイド僧が23日、英古代遺跡ストーンヘンジ(Stonehenge)の埋葬地から掘り起こした遺骨を元の場所に戻すよう求めた裁判で、訴えを退けられた。

 自称、古代ケルトの神官「ドルイド」のキング・アーサー氏(57)は、ひげをたくわえ、白いローブ姿でロンドン(London)の高等法院(High Court)に出廷し、専門家による研究目的での遺骨の保管を認めた政府の判断を見直すよう求めた。

 少なくとも5000年前のものとみられる40体以上の遺骨は、2008年にストーンヘンジの埋葬地から運び出され、英政府の承認により英シェフィールド大(Sheffield University)の研究者のもとで2015年まで保管されることになっている。

 だが、法的な手続きを経てキング・アーサーに改名した元軍人のドルイド僧は、これらの遺骨がいずれ博物館行きとなり二度と返還されないことを恐れていると主張。これらの遺骨は「王家の血統」に属した「神官階級」のものであり、ドルイド僧らは遺骨をストーンヘンジの守護者と見なしていると語り、「彼らには最後の安息の地であるストーンヘンジに戻る権利がある」と裁判所で訴えた。

 だが、ウィン・ウィリアムス(Wyn Williams)判事は、司法省が不当な行動をとったことを示す証拠が不十分であるとして、政府判断の見直しを拒否する判断を言い渡した。(c)AFP