【8月15日 AFP】ノルウェーで戦後史上、最悪の犠牲者を出した前月の爆破・銃乱射事件を捜査している同国警察は14日、前日に銃乱射事件の現場となったウトヤ(Utoeya)島でアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)容疑者(32)を立ち合わせて現場検証を行ったことを明らかにした。

 同警察の捜査担当者は、実際に犯行現場を再訪したことでブレイビク容疑者の犯行に関する記憶がよみがえったと、現場検証の意義を説明。これまでの50時間におよんだ尋問では得られなかった新たな情報を同容疑者から得られ、個々の犠牲者が死に至った経緯の概要をつかむことができたと話した。犠牲者のなかには、銃撃から逃れようとして海に飛び込んで溺死した若者もいたという。

 だが、8時間にわたって行われた現場検証で、ブレイビク容疑者は動揺はしていたが、自身の犯行について自責の念は見せなかったという。

 ウトヤ島に渡る際、ブレイビク容疑者は船内では手錠をはめられ、島での現場検証も腰紐につながれたままで行われた。同容疑者への報復が懸念されてることから、ブレイビク容疑者および同行した弁護人、警察官ら全員が防弾チョッキを着用。上空からも警察のヘリコプターが巡回飛行するなど、厳重な警戒態勢が敷かれた。

 ブレイビク容疑者は前月22日、首都オスロ(Oslo)の政府庁舎で自動車爆弾を爆発させた数時間後、ウトヤ島に渡り、サマーキャンプで訪れていた10代の若者らに銃を乱射し69人を殺害。自動車爆弾でも8人が死亡した。同容疑者は、両事件とも自身の犯行であることを認めている。(c)AFP/Bjoer Lindahl

【関連記事】
ノルウェー銃乱射の島から少女が母に送ったメール「みんなが死んでる」
生存者が語る、ノルウェー・ウトヤ島の銃乱射事件