【7月24日 AFP】ノルウェーで22日に起きた爆発・銃乱射事件で、逮捕されたアンネシュ・ベーリング・ブレイビク(Anders Behring Breivik)容疑者(32)が犯行を認め、長期間にわたって計画を練っていたことを弁護人に語った。同容疑者は、犯行は単独で行ったと語っているという。2つの事件の死者数は少なくとも92人に上っており、同国で第2次世界大戦(World War II)以降最悪の事件となった。

 同国与党・労働党の青年部が小さな島で企画したサマーキャンプを襲った銃乱射事件では、これまでに少なくとも85人が死亡。また、首都オスロ(Oslo)の政府庁舎をねらった自動車爆弾の爆発では7人が死亡した。容疑者の身元や氏名は公表されてないが、地元メディアは容疑者の名前をアンネシュ・ベーリング・ブレイビクと報じている。

 ブレイビク容疑者の弁護人Geir Lippestad氏は、ノルウェーのNRKテレビに「(ブレイビク容疑者は)犯行を認めた」と語った。また弁護人は「(ブレイビク容疑者は)これらは残酷な行為だが、行わざるをえなかったと説明している」と述べ、「長期間にわたって計画されていたものとみられる」と付け加えた。

 ブレイビク容疑者が書いたとみられる1500ページ分もの長大な文書によると、「殉死作戦」の準備は、遅くとも2009年8月には始められていた。インターネット上にあったこの文書には、日記や爆弾製造マニュアルのほか、イスラム教への嫌悪をつづった政治的不平も書き込まれていた。また、大量の爆発物や薬物を仕入れても怪しまれないよう、炭鉱業や農業の会社を立ち上げて、攻撃を準備していたことも説明されていた。

 銃乱射事件では、依然4~5人の行方が分からないことから、小型潜水艦と赤十字(Red Cross)のダイバーらによる水中の捜索活動が続いており、死者がさらに増えるおそれもある。また、島内に第2の銃撃犯がいたとの目撃証言があることから、ノルウェー警察のSveinung Sponheim本部長は事実確認を急いでいると語った。(c)AFP/Pierre-Henry Deshayes and Charles Onians

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