【7月4日 AFP】米マサチューセッツ(Massachusetts)州の人気州営プールが、女性の遺体が水中に沈んだ状態で2日間にわたって営業していたことが発覚し、州当局は同プールを閉鎖した。プールは2日間とも利用客で混雑していたという。ボストン・グローブ(Boston Globe)紙が1日、伝えた。

 報道によると、遺体が見つかったのは、フォールリバー(Fall River)にある州営の「退役軍人記念プール(Veterans Memorial Pool)」。前月28夜、営業終了後にこっそりフェンスを乗り越えてプールに忍び込んだ地元の十代の若者達が、水面に浮かんだ遺体を発見した。

 市当局は同日、プールの検査を実施していたが、水があまりに濁っていたために沈んでいた遺体を発見できなかったという。プールの営業許可は6か月前に切れていたという。グローブ紙は、プールの水が濁っていたのは、遺体の腐敗が始まっていたためかもしれないと報じている。

 遺体で見つかったのは、ハイチ移民でハウスキーパーをしていたマリー・ジョセフ(Marie Joseph)さん(36)で、最後に目撃されたのは26日に同プールの滑り台を滑っているところだった。

 近隣住民の話によると、ジョセフさんは大人2人、子ども6人と一緒に同プールを訪れた。ジョセフさんの友人はグローブ紙に、ジョセフさんの直前に滑り台を滑った9歳の子どもが救助員を呼ぼうとしたが、無視されたと語った。「少年は、彼女を水の中から引っ張り上げようとしたけれど、できなかった。彼女は重すぎたし、水の中は滑りやすかった」

 滑り台のある場所のプールの水深は3.7メートルあるが、友人たちによるとジョセフさんは泳げなかったという。

 事故を受け、当局は水深60センチ以上の州営プール24か所を安全点検のために一時閉鎖した。保健当局は、ジョセフさんは事故死との見解を示すとともに、プール内の塩素濃度は適切で、遺体が沈んでいたプールを利用した人の健康には影響はないと説明しているという。(c)AFP