【5月13日 AFP】隣町にいる母親に会いたい一心でトラックの荷台に忍び込んだボリビアの10歳の少年が、行き先を間違え、アンデス山脈を越えて500キロ離れた隣国チリまで行ってしまうという事件があった。

 チリ国営テレビTVNによると、この少年フランクリン(Franklin Villca)君は、ボリビア中西部の町(Oruro)で鉱物運搬トラックの荷台に忍び込み、隣町コチャバンバ(Cochabamba)の刑務所から出所したばかりの母親に会いに行こうとした。「ただ、お母さんに会いたかっただけなんだ」(フランクリン君)

 ところが、トラックの行き先は逆方向だった。3日間、飲まず食わずで荷台に揺られ、海抜3000メートル級の山々を越えてフランクリン君が7日にたどり着いたのは、隣国チリの海辺の街イキケ(Iquique)郊外だった。

 アルト・オスピシオ(Alto Hospicio)の通りをさまよっていたフランクリン君を、地元の女性が見かねて自宅に連れ帰った。「私も母親だから。彼のお母さんも心配していると思って」と、この女性は地元メディアに語っている。その後、少年はチリ警察に保護されたが、イキケの裁判所の許可が下りたため、ボリビア当局が迎えに来るまでこの女性の家で過ごしているという。(c)AFP