【3月30日 AFP】少女買春と職権乱用をめぐる疑惑で起訴されているイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相(74)の弁護団が、米俳優ジョージ・クルーニー(George Clooney)さんやサッカーのスター選手クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)さんに、証人として出廷するよう要請することを検討している。弁護人の1人が30日までに明らかにした。

 同弁護団が「証人」として挙げている78人の中にはこの2人のほか、ベルルスコーニ政権の閣僚2人も含まれている。

 弁護団によると、クルーニーさんは交際相手のイタリア人女優兼モデルのエリザベッタ・カナリス(Elisabetta Canalis)さんと共に、伊アルコレ(Arcore)にあるベルルスコーニ首相の私邸で開かれた複数の夕食パーティーに出席していたと言う。検察側は、これらのパーティーで乱交やストリップショーが行われたと主張している。

 ある日のパーティーの後、当時17歳だったポールダンサー、「ハート泥棒のルビー(Ruby the Heart Stealer)」ことカリマ・エル・マフルーグ(Karima El Mahroug)さんと性的関係をもったとされるベルルスコーニ首相の初公判は4月6日に開かれる。しかしベルルスコーニ首相、渦中の女性共に関係を否定している。

 クルーニーさんは「奇妙な話だ。ベルルスコーニ氏に会ったことは1度しかなく、それは(スーダンの)ダルフール(Darfur)地方への支援をお願いしたときのことだ」と当惑したコメントを発表している。

 ベルルスコーニ首相の弁護人はまた、サッカー・スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属する高額年俸ランキング現在世界1位のクリスティアーノ・ロナウド選手にも、証人として「白羽の矢」を立てていると述べた。弁護人によると、マフルーグさんは予審判事に対し、2010年1月に伊ミラノ(Milan)のナイトクラブでロナウドさんと会った際に性的関係を持ち、ロナウドさんから現金4000ユーロ(約47万円)を受け取ったと語ったという。しかし、ロナウドさんはマフルーグさんと会ったことも、現金を払ったことも否定している。

 公判を担当するミラノの裁判所の判事は、弁護団が要請した証人を必ず召喚する必要はなく、証言が該当事件に関係ないと判断すれば、弁護団による証人出廷要請を拒否することもできる。(c)AFP