【2月22日 AFP】メキシコで最も麻薬抗争が深刻だと言われるシウダフアレス(Ciudad Juarez)市当局が、ギャングたちの銃撃戦シーンがあるビデオゲームの発売を阻止しようとしている。

 麻薬組織の根城であるシウダフアレス市当局は、同市があるチワワ(Chihuahua)州選出の国会議員らとタッグを組んだ。この議員らは、仏ゲームソフト大手ユービーアイソフト(Ubisoft)がことし夏ごろに発売を予定している「フアレスの呼び声 ザ・麻薬カルテル」と題されたビデオゲームに、批判的な見解を表明していた。

 市の担当者は、「倫理的に有害な」ビデオゲームについて、訴訟の可能性も含めて対抗措置を検討していくと述べた。

 シウダフアレスは米テキサス(Texas)州エルパソ(El Paso)と国境を接する街で、麻薬関連の抗争や襲撃事件などの中心地であり、2010年の1年間だけで3100件を超える殺人事件があった。

 メキシコでは、政府が2006年に麻薬密売カルテルなどの組織犯罪取り締まりに軍を投入したが、それ以降に麻薬関連の抗争などで死亡した人は3万4600人以上に上っている。(c)AFP