【2月4日 AFP】2児の父であるフランス人男性(51)が、英グラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKlineGSK)製のパーキンソン病治療薬「リキップ(Requip)」を服用したことで男性との性交やギャンブルにはまったとして1日、同社と担当医を仏西部ナント(Nantes)の裁判所に訴えた。

 男性は、グラクソ社については欠陥薬品を販売したとして、また担当神経科医に対しては薬品について適正な説明をしなかったとして、計45万ユーロ(約5000万円)の損害賠償を求めている。

 国防省に務めるこの男性は、2003年に初めてリキップを処方された。薬を服用した直後の4、5日はエネルギーが体中にみなぎり、朝4時に目が覚めて長距離を走ったりしたという。ところが、やがてその程度では済まなくなった。

 男性の主張によると、薬の影響でインターネットギャンブルがやめられなくなり、そのために貯蓄を失い、13万ユーロ(約1400万円)の借金を負った。また、意思に反して同性との性交にはまり、ネット上に自身の画像を公開したり女装をしたりするようになった結果、レイプ被害にも遭ったとしている。男性は8回、自殺を試みたという。

「わたしの人生は台無しにされた。わたしと家族は厄介者扱いされた」

 男性の代理人によると、問題行動は2005年にリキップの服用をやめると収まったが、男性はその時点ですでに国防省の役職を降格され、中毒症状による精神的トラウマに悩まされていた。

 リキップは長らく好ましくない副作用があることで知られているが、同弁護人によると、パッケージに注意書きが書かれるようになったのは2006年になってからだという。パーキンソン病は、体のふるえや動作緩慢などが起こる病気。(c)AFP