【2月1日 AFP】2010年のバンクーバー冬季五輪期間中に観光客を乗せた犬ぞりを引っ張っていたハスキー犬100頭が、前年4月に一斉に殺されていたことがわかり、カナダの動物愛護団体が調査を開始した。

 地元メディアによると、五輪閉幕の2か月後に観光客向けに犬ぞりを提供していた観光会社アウトドアアドベンチャー・アンド・ハウリングドッグズ(Outdoor Adventures and Howling Dogs)の経営が悪化し、犬が不要になったという。

 犬の殺害は2010年4月に行われ、男性作業員1人が2日かけてショットガンとナイフで100頭の犬を殺した。途中、犬の死体を埋める穴から、けがをした犬がはい出た場面もあったという。

 この作業員が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、ブリティッシュ・コロンビア(British Columbia)州の労働委員会から補償金を受け取ったことが31日に報じられたことで、事件が明るみにでた。

 調査を主導する動物虐待防止協会(Society for the Prevention of Cruelty to AnimalsSPCA)のマーシー・モリアティ(Marcie Moriarty)氏は、地元紙バンクーバー・サン(Vancouver Sun)に対し「何度も発砲して犬の顔が吹き飛び、そして次の日もまたその場所に戻って再開するという(委員会報告書での)彼の説明は、身の毛もよだつ内容だった」と語った。

 カナダでは動物殺傷行為は罪に問われ、有罪になれば最高で禁錮5年となる。また動物虐待も最高で罰金と禁錮18月が科される。(c)AFP