【1月3日 AFP】米海軍の原子力空母エンタープライズ(USS Enterprise)の艦長が、同艦の副長だった2006年~07年に、同性愛者を中傷したり女性乗組員のシャワーシーンを映したビデオを多数制作し、艦内で上映していたことが発覚し、批判が高まっている。

 米地方紙バージニアン・パイロット(Virginia-Pilot)によると、ビデオを制作したのは、米海軍戦闘機兵器学校(通称トップガン)出身の元戦闘機パイロットで原子力空母エンタープライズ(USS Enterprise)艦長のオーウェン・オナーズ(Owen Honors)大佐。娯楽として作られたものとみられるが、ビデオを見た乗組員のべ6000人の中には、気分を害した兵士もいたという。

 同紙は、最後に撮影されたとされるビデオ1本をウェブサイトで公開。この中で、オナーズ大佐は「これまでにビデオの内容が不適切との苦情はあったが、直接ではなく、第三者を通じて私に伝えられたものだ」と語っている。「今夜は、みな傷ついているはずだ。だから、20分だけ、自分の両肩を抱きしめよう。これから、気分を損ねる思いをするかもしれないのだから」

 ビデオの中でオナーズ大佐は、繰り返し下品な言葉を用いている。また、仲間の海軍兵らとともに、歌に合わせて自慰行為を真似たり、女性兵士2人が一緒にシャワーを浴びる様子を演じる映像も撮影されていた。さらに、オナーズ大佐は、同性愛者を中傷する「ファグ」という言葉を使っていた。

 海軍は、ビデオについて調査を開始したことを明らかにしたが、内容については「寸劇を通じて、寄港地や航行の安全、艦内の清掃などについて乗組員の喚起を促す目的で制作されたもので、他者の感情を損ねるようなものではない」と発表している。(c)AFP