【1月1日 AFP】米国、西部開拓時代の伝説の無法者「ビリー・ザ・キッド(Billy the Kid)」が生前、当時の知事から恩赦を約束されていながら殺害されたとされる歴史のミステリーについて、12月31日で退任する米ニューメキシコ(New Mexico)州知事のビル・リチャードソン(Bill Richardson)氏は同日、調査の結果、ビリー・ザ・キッドに死後恩赦を与えないことに決めたと発表した。

 リチャードソン氏は州知事就任以後ずっと、ビリー・ザ・キッド(本名:ウィリアム・H・ボニー)の事件について調査していたという。しかし、知事の最後の日となった12月31日、証拠が不十分だったため、ビリー・ザ・キッドの恩赦を認めない決定を下した。

「ビリー・ザ・キッドに恩赦を与えないことに決めた。決定的なものが不足している。ウォレス知事が恩赦の約束を破った理由もあいまいだ」と、リチャードソン氏は米ABCテレビで語った。

 ビリー・ザ・キッドの死後恩赦を求める人びとによると、当時のルー・ウォレス(Lew Wallace)州知事は、別の殺人事件について証言を行うのと引き換えに、ビリー・ザ・キッドに恩赦を約束していたという。しかし、ウォレス知事が恩赦を与えることなく、ビリー・ザ・キッドは1881年7月14日、パット・ギャレット(Pat Garrett)保安官に射殺された。

 ビリー・ザ・キッドは少なくとも4人を殺害したとされる。21人を殺害したとの説もあるが、それは「伝説」の域を越えないかもしれない。(c)AFP