【12月21日 AFP】米上院は20日、中華料理などで使われるフカヒレ漁の規制を強化する法案を可決した。

 中華料理の高級食材であるフカヒレを取るため毎年数千万匹のサメが乱獲されている。フカヒレ漁ではヒレだけを切り取って残りは海に捨てており、サメはそのまま死んでしまう。サメは寿命が長く、生む子どもの数が少ないことから乱獲による絶滅が危ぐされている。

 米国は2000年にフカヒレ漁を禁止し、大西洋とメキシコ湾(Gulf of Mexico)での漁を規制している。従来はフカヒレを切り取る行為を船上で行わなければ太平洋でのフカヒレ漁が認められていたため、太平洋でフカヒレ漁が横行していた。今回の法案でこの法の抜け穴が埋められた。

 この法案は2009年に下院で可決されたものの上院を通過していなかった。フカヒレの販売は禁止していないが、保護活動家らは拡大する米国のフカヒレ漁を減らすことができると歓迎している。

 環境団体らは、世界で年間7300万匹のサメがフカヒレ目当ての漁で死んでいると推計している。サメの中には90%も減少した種もあるという。(c)AFP/Shaun Tandon