【12月17日 AFP】ジンバブエのグレース・ムガベ(Grace Mugabe)大統領夫人は15日、内部告発ウェブサイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」か公開した米外交電文をもとに夫人が違法ダイヤモンド取引で利益を得たと報じた新聞社を、名誉毀損で訴えた。要求額は1500万ドル(約13億円)。同国の政府系日刊紙ヘラルド(Herald)が16日報じた。

 同国日曜紙スタンダード(Standard)は前週、ウィキリークスが公開した米国大使の2008年の本国向け電文を引用し、大統領夫人が違法なダイヤモンド採掘によって数百万ドルの利益を得たと報じた。

 電文で米国大使は、ジンバブエの政府高官らが私的に人を雇ってダイヤモンドを採掘し、数百万ドルを手にしたと報告していた。

 夫人の代理人の弁護士は、「原告はジンバブエの著名人であり、何と言っても大統領夫人だ。国民の母とも言える重要人物にこのような汚名を着せるなど、正しい考えを持つ国民が原告に抱く尊敬の念を無におとしめるものだ」と非難した。

 同弁護士は、問題の記事で「国が深刻な外貨不足にあえぐ中、夫人が自身の大統領夫人としての立場を利用して密かにダイヤモンドを入手して私腹を肥やした」と伝えられたのは誤りだと主張している。(c)AFP

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