【12月4日 AFP】メキシコ当局者は3日、麻薬密売組織の「殺し屋」として殺人に関与した疑いで「El Ponchis(マントの男)」の異名を持つ14歳の少年を拘束したと述べた。

 メキシコ軍幹部によると、メキシコ中部モレロス(Morelos)州の空港で2日夜、14歳のエドガー・ヒメネス(Edgar Jimenez)容疑者が拘束された。ヒメネス容疑者は家族に会うために、米国との国境に近いティファナ(Tijuana)に向かう航空機に乗り込もうとしていた。ヒメネス容疑者は米国生まれの可能性もあるという。

 ヒメネス容疑者は以前、麻薬密売組織「南太平洋カルテル(South Pacific Cartel)」の殺しを請け負った疑いで、ほかの殺し屋6人とともに拘束されたことがある。しかし、メキシコ軍は年齢が低いことを理由にヒメネス容疑者を釈放。前年10月以降、当局は同容疑者を捜していた。

 ヒメネス容疑者を含む殺し屋らは、ネットに公開した動画で、メキシコ市(Mexico City)南100キロ以内のクエルナバカ(Cuernavaca)の橋に吊されて遺体で発見された男性たちの殺害に関与したことを明かしていた。地元メディアによると、その動画では、ヒメネス容疑者は被害者の頭部や性器の切断を担当したと説明されていたという。

 しかしヒメネス容疑者は、のどをかき切って殺したことは認めたが、動画で説明された役割は否定。モレロス州司法長官事務所前で記者団に対し、「4人殺した。のどをかき切った。やりたくなかったけれど、やらなければ殺されると言われてやった。のどを切ったけれど、橋に吊しに行ったりはしていない」と語った。

 ヒメネス容疑者は、1人殺害するごとに2500~3000ドル(約21~25万円)の報酬を姉たちと一緒にもらっていたという。(c)AFP

【動画】「14歳の殺し屋」、カメラの前で語る(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)