【11月16日 AFP】男性2人を殺害し、遺体を切断して遺棄したなどとして強盗殺人などの罪に問われていた池田容之(Hiroyuki Ikeda)被告(32)に対し、横浜地裁は16日、求刑通り死刑判決を言い渡した。前年5月に始まった裁判員裁判で死刑判決が出たのは初めて。

 池田被告は2009年、マージャン店の元経営者で、覚せい剤の密輸にも関与した男(強盗殺人容疑などで国際手配中)からの依頼を受け、この男とトラブルになっていたマージャン店経営者(当時28)と会社員(当時36)の男性2人を監禁して殺害した。時事通信(Jiji Press)によると、被害者の1人は生きたまま電動のこぎりで首を切断され、もう1人は首を刺されて殺害された。2人の遺体は、切断された状態で横浜の海で発見された。

 NHKによると、横浜地裁の朝山芳史(Yoshifumi Asayama)裁判長は、犯行は「あまりに残虐で、非人間的であり、極刑はやむをえない」と述べ、池田被告に死刑を言い渡した。

 しかしこの後朝山裁判長は池田被告に「重大な判断になったので、裁判所としては控訴することを勧めたい」と述べた。判決言い渡しの直後に裁判所が控訴を勧めるのは極めて異例で、裁判員の感情に配慮した発言だった可能性もある。

 主要先進民主主義国で死刑制度が存続しているのは米国と日本だけで、日本政府は、しばしば死刑制度の廃止を主張する欧州諸国や人権団体から批判されている。(c)AFP