【9月22日 AFP】イタリアの検察当局は21日、マネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いでバチカンの財政管理組織「宗教事業協会(Istituto per le Opere di ReligioneIOR、通称バチカン銀行)」幹部らに対する捜査を開始した。

 捜査対象とされているのは、エットレ・ゴティテデスキ(Ettore Gotti Tedeschi)総裁とIOR幹部の2人。さらにイタリア検察は、IORの資産2300万ユーロ(約26億円)を押収した。
 
 マネーロンダリング撲滅を目指すイタリアは2007年、金融機関の送金情報開示義務を強化する法改正を行った。ゴティテデスキ総裁らは、この開示義務に違反した疑いがもたれている。

 これに対し、バチカン当局は、「IORは違法行為などしていない。今回の捜査には当惑し驚いている」との声明を発表。さらに、必要な書類は全てイタリア銀行(中央銀行に相当)に提出しており、IORの財政運営の透明性が証明されることは明らかだと反論した。(c)AFP