【8月27日 AFP】法務省は27日、死刑が執行される刑場を報道機関に初めて公開した。

 死刑反対の立場だった千葉景子(Keiko Chiba)法相が前月、就任後初めて執行した死刑に立ち会い、「死刑のあり方に関して国民的な議論を巻き起こしたい」として公開を指示していた。

 公開されたのは東京拘置所にある刑場で、上下2階に分かれている。死刑囚は上階の「教誨(きょうかい)室」に入り、僧侶や牧師などと会う。その後、黄金の仏像が置かれている「前室」に移動する。死刑囚はこの部屋で目隠しと手錠をされ、絞首刑が行われる「執行室」に移される。執行室の隣にはガラス越しに執行の様子を見届ける「立ち会い室」がある。

 窓のない執行室の白い床には、赤い線で枠が記されており、首に縄を巻かれた死刑囚がこの中に立つと踏み板が開き、刑が執行される。

 踏み板を開けるためには、壁で隔てられた「ボタン室」にある3つのボタンを3人の刑務官がいっせいに押す。心理的負担を軽減するために、どのボタンで板が開いたのかは刑務官たちには告げられない。

 主要先進国の中で現在も死刑制度を維持しているのは米国と日本だけで、欧州各国や人権団体は、日本の死刑制度を繰り返し非難している。(c)AFP