【7月20日 AFP】米国でロシアの諜報員として暗躍していたとされる美人スパイ、アンナ・チャップマン(Anna Chapman)さん(28)に、大手ポルノ映画会社が熱烈なラブコールを送っている。

 チャップマンさんは、数年にわたって米国内でロシアの諜報員として暗躍していた容疑で前月、米当局に逮捕されたロシア人10人の1人。チャップマンさんを含む10人は9日、ロシアが拘束していた米国のスパイと引き換えにロシア側に引き渡された。冷戦時代の米ソスパイ合戦をほうふつとさせる事件は、内外で大きな話題となった。

 中でも、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)にセミヌード写真を掲載したり、数々のロマンスが噂されたチャップマンさんは、赤毛の魅惑的な「美人スパイ」として、英国を中心とする世界各国のタブロイド紙をおおいに賑わせた。

■「アンナは近年まれにみるホットなスパイ」、アダルト大手が白羽の矢

 このチャップマンさんに目をつけたのが、アダルト映像制作最大手の「ビビッド・エンターテインメント(Vivid Entertainment)」だ。同社はスティーブン・ハーシュ(Steven Hirsch)社長がチャップマンさんの弁護士にあてた書簡を19日、ウェブサイト上で公開。この中でハーシュ社長は「アンナは、近年まれにみるホットなスパイだ。メディアの注目を集めることは間違いない」と、チャップマンさんに賛辞を送っている。

 さらに、「彼女はスパイとしては成功しなかった。だが、素晴らしい女優として花開く可能性を持っている。わが社で企画中の最新映画に是非、出演してほしい。監督をモスクワに派遣してもかまわない」と、熱心な映画出演要請を書き送っている。

 チャップマンさんは、英国人のアレックス・チャップマン(Alex Chapman)さんと結婚しロンドン(London)で暮らしていたが、アレックスさんとは離婚し米国に渡った。

 英国政府は9日、チャップマンさんの英国籍をはく奪し、再入国を永久に許可しない決定を下している。(c)AFP