【5月28日 AFP】米アップル(Apple)の携帯電話端末iPhone(アイフォーン)を委託製造している中国・広東省深セン(Shenzhen)にある台湾系大手電子機器メーカー、富士康科技集団(フォックスコン、Foxconn)の工場で27日夜、新たに1人が手首を切って自殺を図った。この男性は一命を取りとめたものの、同工場では今年に入ってからすでに11人が自殺している。

 事態を受け、アップルと同じく同工場に生産を委託している米コンピューター大手デル(Dell)やヒューレットパッカード(Hewlett PackardHP)は27日に、またソニー(Sony)や携帯電話端末世界最大手ノキア(Nokia)は28日、それぞれ声明で懸念を表明し、現場の労働環境の実態の調査を始めたことを明らかにした。

 アップルも26日、「わが社は自社製品の製造にかかわる全従業員の安全で尊厳ある労働環境の確保に尽力している」とし、フォックスコンの工場の実態調査を行っていることを発表した。
 
 相次ぐ従業員の自殺で、中国各地に工場を持つ富士康の労働環境に対する疑問の声が高まっている。従業員らの証言や人権活動家らによると、富士康の深セン工場では30万~40万人が働いており、長時間労働や低賃金を強いられているという。(c)AFP