【4月23日 AFP】フランスで行われた写真コンテストで、仏国旗でおしりをふく男性の写真が入賞したことから論争が起き、仏政府が21日、写真を制作した芸術家の刑事訴追を求める方針を発表する事態に発展している。

 問題の写真は同国南部ニース(Nice)の書籍・レコード販売店FNACが行った写真コンテストの入賞作の1つ。前月、無料全国紙メトロ(Metro)に掲載されたことをきっかけに論争の的となった。

 仏法務省報道官は、ミシェル・アリヨマリ(Michele Alliot-Marie)法相が「容認し難い行為に対して刑事訴追を求めた」と発表。「国旗に対するこのような目に余る行為を罰する法定の手段があるはずだ。現行の法律になければ法律を改正すべきだ」と述べた。

 ニースの検察官はAFPに対し、法務省の求めに応じて前月にこの件を検討したものの「創造性に基づく精神によって行われたもので違法行為には相当しない」との判断を下していたことを明らかにした。

 FNACは論争を受け、「多くの人がショックを受けたことを知り、直ちに問題の作品の入賞を取り消した。制作者の同意も得ており、現在は展示していない」と発表した。

 フランスの刑法では、一般公開の催しにおける国歌または国旗への侮辱は、最大禁固6月および最高7500ユーロ(約92万7000円)の罰金に相当する。(c)AFP