【3月30日 AFP】「キリスト教戦士」を名乗る過激派民兵グループのメンバー9人が、警察官を殺害し、葬儀を爆破する計画をたてていたとして米国で起訴された。グループは米政府に対する武装蜂起を起こすことを標榜していた。

 29日に公表された起訴状によると、この民兵組織「Hutaree」は警察官を連邦政府の「歩兵」とみなし、また、グループの信念に賛同しない者や、「新世界秩序(new world order)」に参加している者をすべて敵とみなしていたという。Hutareeはウェブサイトに、終末論的な世界観に基づいた狂信的な長文を多数掲載していた。

 起訴状によれば、Hutareeは少なくとも2008年から訓練を続け、警察官を殺害してその葬儀を手製爆弾で攻撃する計画を立てていた。計画実行後には複数の「結集地」の1つに退却し、「政府に対して開戦し、仕掛け線や爆破装置のついた対人簡易爆発物や奇襲、構築した陣地などを使って徹底抗戦する」計画だったという。

 この民兵グループのメンバーをミシガン(Michigan)州、オハイオ(Ohio)州、インディアナ(Indiana)州で週末に強制捜査したこと理由について検察官は、同グループが4月に「隠密偵察作戦」を予定しており、これを妨害する人を殺害する計画を立てていたためだと説明した。

 Hutareeのメンバーらは、扇動共謀罪、大量破壊兵器使用未遂罪、爆発物の使用方法を教示した罪、暴力的不法行為時の銃所持などで起訴された。

 米国内のヘイトグループ(人種や宗教に基づく差別・排斥を扇動する集団)に関する調査を行っている人権団体、南部貧困法律センター(Southern Poverty Law CenterSPLC)によると、2008年に149団体だった過激な反政府主義と陰謀論を掲げる過激派グループや武装民兵組織は、09年には3倍以上の512団体に増えたという。(c)AFP