【3月12日 AFP】中国北東部遼寧(Liaoning)省の省都、瀋陽(Shenyang)の動物園で、この3か月間で11頭のシベリアトラ(アムールトラ)が餓死していたことが明らかになった。国営の新華社(Xinhua)通信が11日、瀋陽の野生動物保護当局者の話として伝えた。

 この当局者の話によると、シベリアトラの死因は栄養失調。この動物園は財政難のため、値段の安いニワトリの骨をえさとしてトラに与えていたという。

 前年11月には同じ動物園で、2頭のシベリアトラが飢えのため、飼育員を襲うという事件があった。襲われた飼育員は救出され命を取り留めたが、トラはその場で射殺された。

 この事件後、労働安全当局は動物園の所有者に対し、ほかのトラをおりに閉じ込めるように命じたが、新華社はこの処置がトラの健康状態をさらに悪化させたと報じている。

 中国には200以上の動物園があるが、北京(Beijing)や上海(Shanghai)などの大都市の規模の大きい施設を除いては、政府の財政支援を受けていないという。(c)AFP