【2月18日 AFP】1月にアラブ首長国連邦のドバイ(Dubai)で起きたパレスチナのイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)幹部の暗殺事件で、容疑者グループに偽の英国旅券を所持していた人物がいた問題に関して英政府は17日、駐英イスラエル大使を18日に召喚して説明を求めると発表した。

 この事件は、ハマスの軍事部門の創設者の1人、マフムード・マブフーフ(Mahmud al-Mabhuh)司令官の遺体がドバイのホテルの部屋で1月20日に見つかったもの。暗殺の背景にイスラエルの対外特務機関モサド(Mossad)がいたのではないかとの見方が強まっている。モサドは過去にも同様の作戦で偽の旅券を使ったことがある。

 ドバイ警察は今週、欧州の旅券を所持していた11人の容疑者の氏名と写真を公開した。国籍の内訳は英国が6人、アイルランドが3人、ドイツとフランスが各1人だった。

 英政府の報道官は、この事件へのイスラエルの関与について言及は避けているが、「英国旅券の偽造は非常に深刻な問題だ。英政府は英国民を身分詐欺から守る上で必要なすべての措置をとる」と述べ、イスラエルと事情を明らかにしていきたいとの考えを示した。

 この発表の数時間前には、ゴードン・ブラウン(Gordon Brown)英首相が、この問題を徹底的に調査する意向を明らかにしていた。(c)AFP