【2月14日 AFP】米アラバマ(Alabama)州のアラバマ大学ハンツビル校(University of Alabama HuntsvilleUAH)で12日、女性教員が銃を乱射し6人が死傷した事件で、現地捜査当局は同大学の生物学教授、エイミー・ビショップ・アンダーソン(Amy Bishop Anderson)容疑者を殺人容疑で訴追した。

 有罪になれば死刑になる可能性があり、さらに加重暴行などの罪が加えられる可能性もある。警察は事件後、事件に使われた口径9ミリの銃を女性トイレで発見した。

 事件後、ジーンズとピンクのセーター姿の容疑者は信じられないといった様子で頭を振りながらパトカーで現場から連行された。車に乗り込む際「これは起こらなかった。あり得ない。あの人たちはまだ生きている」とつぶやいたという。

 地元メディアが報じた目撃者の証言によると、十数人が出席していた生物学部の教員の会議から悲鳴が聞こえたという。死亡したのはいずれも同大学のゴピ・ポリア(Gopi Polia)生物学部長、マリア・ラグランド・デイビス(Maria Ragland Davis)教授(バイオテクノロジー)、エイドリエル・ジョンソン(Adriel Johnson)教授(生理学)の3人。3人の負傷者のうち1人の容体は安定しているが、2人は重体だという。

■テニュア得られず逆上か

 13日、AFPの取材に応じたデイビッド・ウィリアムズ(David Williams)学長は事件の一報を聞いた時には信じられなかったと思ったと語った。大学は銃の持ち込みを禁止しており、キャンパスも周辺の地域も安全な場所だったため金属探知機は使っていなかったという。

 事件はテニュア(契約更新なしで大学での勤務を続けられる権利)を認められなかったことを知ったビショップ容疑者が起こしたとされている。学長自身はビショップ容疑者をよく知らないが、テニュアを得るには准教授として勤務し始めてから7年ほどかかるのが通例で、最終的な決定までに6年ほど勤務するのは珍しくないという。ビショップ容疑者は2003年から同大学に勤務していた。

 地元紙ハンツビル・タイムズ(Huntsville Times)によると、ビショップ容疑者は名門ハーバード大学(Harvard University)で教育を受けた遺伝学者で、夫のジム・アンダーソン(Jim Anderson)氏は、従来のペトリ皿に代わる細胞培養システムを発明したことで知られている。ビショップ容疑者は4児の母。(c)AFP/Donna Francavilla