【1月26日 AFP】イラクの故サダム・フセイン(Saddam Hussein)大統領のいとこで側近だった「ケミカル・アリ(Chemical Ali)」ことアリ・ハッサン・マジド(Ali Hassan al-Majid)元国防相の死刑が25日、執行された。元国防相は今月、同国クルド人自治区の村に対する毒ガス攻撃を命じた罪で、4件目となる死刑判決を受けたばかりだった。

 イラク政府のアリ・ダバク(Ali al-Dabbagh)報道官は、元国防相は絞首刑に処せられたと発表し、フセイン元大統領の時とは全く異なり、「執行時には叫び声や喜びの声をあげるなどのいかなる違反行為もなかった」と語った。

 イラク国営テレビは、橙赤色のつなぎの服を着た元国防相の2枚の写真を放映した。1枚目は、顔がはっきりと確認できるものだったが、2枚目の写真は、目出し帽姿の2人に付き添われ、頭から黒いフードを被せられ処刑台に立つ姿が写されていた。

 マジド元国防相は今月17日、イラン・イラク戦争終結間際の1988年、イラク北東部クルド人自治区のハラブジャ(Halabja)村に毒ガス攻撃を命じた罪で死刑判決を受けていた。フセイン政権下での最悪の犯罪の1つとされるこの攻撃では推定5000人が死亡し、世界中に衝撃を与えた。元国防相は、2003年8月に逮捕され、死刑判決は4回目となる。(c)AFP/Arthur MacMillan