【1月10日 AFP】イタリア南部カラブリア(Calabria)州ロザルノ(Rosarno)で7日夜に始まったアフリカ系移民と地元住民による衝突で、治安当局は9日、移民900人以上を強制的に同国のクロトーネ(Crotone)やバリ(Bari)に移送した。

 イタリアの通信社ANSAによれば、地元住民が農場で働く移民にエアライフルを発砲したことに抗議して、アフリカ系を中心とした移民が7日夜から街頭をデモ行進。建物の窓ガラスを割り、車に砲火し、警官隊と衝突した。警察によれば、これまでに外国人31人、警官19人、地元住民17人の計67人が負傷した。

 移民の多くは違法に就労しているが、警察は、今回移送した移民を逮捕しないと明言している。

 9日には衝突は沈静化し、地元住民が設置したバリケードは道路から取り除かれ、商店も営業を再開。また、治安当局は、移民約900人をロザルノから約170キロ離れたクロトーネや、約400キロ離れたバリに強制移送。地元住民らは移民を乗せたバスが街を去るのを見て、歓声を上げた。

 ガーナ出身のフランシス(25)さんは、まだ受け取っていない給料が200ユーロ(約2万7000円)あるものの、恐怖のためロザルノに残ることができないと語った。「逃げなければ殺される」と語り、「働くためにここに来たのに、ここの人たちは自分たちに発砲するんだ」と述べた。(c)AFP/Anne-Sophie Legge