【12月11日 AFP】フィリピン南部ミンダナオ島(Mindanao)アグサンデルスール(Agusan del Sur)州で、10日に小学校を襲撃し児童ら75人を連れ去った地元部族の武装グループは11日、警察が人質救出を行おうとすれば、人質を殺害すると脅迫した。

 当局によると、襲撃したのはマノボ族(Manobo)出身の15人による武装グループで、殺人その他の容疑で指名手配されている。リーダーのオンド・ペレス(Ondo Perez)容疑者は、政府の交渉担当者に同行したAFP特派員に対し、「警察が人質を救出しようとすれば、わたしが人質を殺す」と警告した。

 その後まもなく、残っている人質57人のうち10人が解放された。9人は女性で1人は少年だった。

 ペレス容疑者はグループに出ている逮捕状の取り下げを要求し、警察に1週間の猶予を与えたと述べた。またマノボ族と地権を争っている部族を、当局が武装解除させることも要求している。

 グループは前日朝、同州の首都プロスペリダード(Prosperidad)郊外の小さな農村にある小学校を襲い児童ら75人を、約2キロ離れた山林内の空き地に建つ無人の小屋に拉致した。現在は400人以上の警官や兵士が取り囲んでいる。発生から8時間以内に児童17人を含む18人が解放された。

 現在残る47人のほとんどは農民ら村の住民で、小学校の校長も含まれている。前日、人質らは野外での睡眠を強いられた。(c)AFP/Ben Serrano


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