【11月21日 AFP】侵入者と争っている夢を見ていた男性が、寝ている間に誤って妻にプロレス技を掛けて殺害した事件で、検察側が被告男性に対する起訴を取り下げると発表し、男性は釈放された。

 睡眠障害を患っているブライアン・トーマス(Brian Thomas)さん(59)は、英スウォンジー(Swansea)刑事法院で、2008年7月に夫妻でキャンピングカーで旅行中に妻のクリスティーン(Christine)さんを死なせてしまったことを認めた。

 検察側はこれまで「極めて異例なケース」として心神喪失による無罪評決を求刑しており、その通りとなればトーマスさんは精神医療施設への収容を命じられることになっていた。

 しかし20日、検察側は無罪評決を求める方針を中止し、1月以降拘置されていたトーマスさんを釈放した。ポール・トーマス(Paul Thomas)検察官は「トーマス氏が精神医療施設に収容されたところで効果は無いことは明白」と述べた。

 トーマスさん夫妻は08年7月にキャンピングカーで旅行中、ウェールズのある駐車場に車両を止めて宿泊した。だが、その駐車場に集まって来た若者たちの車両のエンジンの回転音やブレーキ音が騒がしくて眠れなかったため、自分たちのキャンピングカーを別の駐車場に移動させた。

 その晩、夢の中で駐車場で騒いでいた若者たちとケンカをし、その中の1人にプロレス技の「ヘッドロック」をかけたが、目が覚めた時、技をかけた相手が妻のクリスティーン(Christine)さんだったことが判明。そこで午前3時49分に「妻を自分で殺したようだ」と警察に通報した。(c)AFP