【10月18日 AFP】2016年夏季五輪の開催地に選ばれたばかりのブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)で17日、警察と麻薬組織の間で銃撃戦が起き、少なくとも12人が死亡したほか、不時着したヘリコプター1機が爆発した。

 リオデジャネイロ北部のスラム街で同日午前、麻薬組織との銃撃戦のなかでヘリコプターが銃撃された。パイロットは脚に銃弾を受け、ヘリを不時着させたが、その直後にヘリは爆発した。パイロットともう1人の警察官はかろうじて脱出できたが、同乗していた2人が死亡した。このほか現場にいた警官2人が死亡、2人が負傷した。

 ヘリの爆発後、数百人の警官隊と麻薬組織の間で激しい銃撃戦となった。銃撃戦は終日続き、麻薬組織の8人が死亡、3人が負傷。このほか、市民2人、警官1人も負傷した。

 さらに、路線バス9台も放火された。路線バスの運転手によると、覆面をして銃を持った15人の男たちが、「降りろ!降りろ!このバスに火を付ける」と言って、バスに乗っていた全員を降ろさせたという。同地区における麻薬組織同士の銃撃戦を鎮圧する作戦を展開した地元警察に対する報復とみられる。

 リオデジャネイロは南米大陸初の五輪の開催地に決定したが、同市の治安の悪さは深刻な問題とされている。同市では2008年だけで約6000人が殺されている。(c)AFP