【10月17日 AFP】米国など8か国の駐日大使らは16日、千葉景子(Keiko Chiba)法相に面会し、離婚した国際結婚カップルの子どもの取り扱いについて定めた「ハーグ条約」に日本が加盟するよう求めた。
 
 今回日本に条約加盟を要望したのは、オーストラリア、英国、カナダ、フランス、イタリア、ニュージーランド、スペイン、米国の大使ら。

「国際的な子の奪取の民事面に関するハーグ条約(Hague Convention on the Civil Aspects of International Child Abduction)」は、国際離婚の際に不当に連れ去られた子どもを離婚前の居住地に戻す協力義務を加盟国に負わせたもので、1980年に採択された。日本は先進7か国のうち唯一の未加盟国。日本では国際結婚が破綻して子どもに接触できなくなった外国人の親が子供を無理やり連れ戻すなどのトラブルが多発している。

 9月には、米テネシー(Tennessee)州のクリストファー・サボイ(Christopher Savoie)さん(38)が日本人の元妻が日本に連れ帰った子供2人を取り戻すため、登校中の子どもを連れ去ろうとして逮捕された事件が発生。これをきっかけに、長年問題となっていた国際結婚をめぐるこの種のトラブルがあらためて注目を集めた。サボイさんは15日に釈放された際、「米国の自宅から連れ去られた子どもに会うことを元妻から拒否されたため、必死になって子どもたちを取り戻そうとした」と話している。

 ジョン・ルース(John Roos)駐日米国大使によると、米国は米国民の子ども123人が関連したこの種の連れ去り事件を82件確認している。フランスも自国民が関係した同様の事件を35件把握しているという。

 日本では子どもがいる夫婦が離婚した場合、共同養育権ではなく、元夫婦のいずれか一方だけに養育権を認めることが多い。国際的な親権問題で日本の司法当局は日本人の親を支持することが多く、外国人の親ではなく子どもの祖父母に親権を与える場合さえある。

 岡田克也(Katsuya Okada)外相は条約加盟について、前向きに検討したいと述べている。(c)AFP/Gilles Campion