【9月8日 AFP】米ファストフード最大手マクドナルド(McDonald's)が、マレーシアの家族経営の食堂「マックカレー(McCurry)」を相手取り、名称使用の差し止めを求めていた8年越しの裁判で、マレーシア連邦裁判所(最高裁)は8日、下級審の判断を支持し、マクドナルド側の上訴を退けた。

 マックカレー側のデブ・ネール(Dev Nair)弁護士は「マクドナルドの裁判はこれでおしまいだ。マックカレーは堂々とマックという名称を使用できる」と歓迎した。

 マックカレーはマレーシアで人気のある魚の頭のカレーやタンドーリ・チキン、フィッシュ・マサラといったインド系料理を提供する家族経営のレストラン。ネール弁護士は「マックカレーとマクドナルドはまったく違う種類の食べ物を販売する、まったく別のビジネス。客層も違う」と述べ、名称の「マック」という部分が紛らわしいというマクドナルド側の主張を否定した。

 同裁判では一審高裁が、「マックカレー」という店名はマクドナルドの商標権を侵害しているとマクドナルドの主張を支持。しかし今年4月に上訴裁がこれを覆し、小さな食堂マックカレーが巨大企業マクドナルドに勝訴した。マクドナルドは7日、最高裁にあたる連邦裁への上訴を試みたが、連邦裁は訴えを受理しなかった。

 マックカレーの店主Kanaeges Suppiahさんは「正義が勝った。うちのメニューはマクドナルドとはぜんぜん違うし、似たところなんてない。この裁判の間、ずっとそう思ってきたからここまで来ることができた」と喜びを語った。(c)AFP

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