【7月30日 AFP】オーストラリア警察と児童福祉当局は30日、前日放送されたラジオ番組で、うそ発見器を装着された14歳の少女がレイプ体験を告白した件について、調査を開始すると発表した。この告白もラジオ出演中に母親に無理やりさせられたものだったという。

 この少女をうそ発見器を実験するラジオ番組に出演させた母親は、少女が以前、性的暴行を受けたことがあることを知っていながら、性的体験があるかどうかを話すよう催促した。少女は放送中に泣き出し、「この話はもうしたでしょう。笑いながらわたしを見ないで。これはちっとも面白いことじゃない」と言って最後に「分かったわよ。言えばいいんでしょう。わたしは12歳のときにレイプされたわ」と語った。

 番組の司会者カイル・サンディランズ(Kyle Sandilands)氏が「なるほど。今までにあった性的体験はそれだけ?」と応じると、シドニー(Sydney)のラジオ局は、電話やインターネット経由で、彼と共同司会者のジャッキー・オー(Jackie O)の降板を要求する非難の集中砲火を浴びた。

 心理学者や放送関係者、児童保護当局や性的暴行被害者の会などはいっせいに、番組は搾取的で無神経で悪趣味だと酷評した。

 ニューサウスウェールズ(New South Wales)州のリンダ・バーニー(Linda Burney)地域サービス相は、この母親についても「彼女には娘に対する道徳的責任がないのか」と憤慨し、母としての役割に疑問を呈した。

 司会のサンディランズ氏はテレビのリアリティショー「オーストラリアン・アイドル(Australian Idol)」の審査員なども務め、普段から単刀直入で挑発的なコメントで知られるが、今回の批判に対し「少女の過去についてはなにも知らなかった」と弁解し、「謝罪すべき人には謝罪した。わたしの発言で傷ついたという人には全員謝罪した。少女にも謝った」と強調した。さらに「不幸なことだが、社会ではレイプは起こっている。あの子にそんなことが起こっていたとは知らなかった」と付け加えた。
 
 サンディランズ氏は、司会者だったのに沈黙するほど少女の告白に衝撃を受けたといい、自分の反応は状況に適切ではなかったと認めた。

 放送関連当局によると、この件に関する反応は大量に寄せられているが、少女自身が苦情を申し立てない限り、対応できないとしている。(c)AFP