【6月29日 AFP】メキシコ軍当局は27日、同国の有力麻薬組織「Beltran Leyva」の幹部とみられる男1人を逮捕し、その際、汚職警察官とみられる33人の名前が記載されたリストを押収したと発表した。

 逮捕されたのは、通称「El 34」ことオマル・イバラ・ロサーノ(Omar Ibarra Lozano)容疑者(25)。同容疑者は、コカインなどの麻薬類の米国への密輸の拠点となっているメキシコ北部モンテレー(Monterrey)にある体育館に現れたところを逮捕された。

 軍当局者はAFPに対し、イバラ容疑者は「モンテレー郊外のSan Pedro Garza Garciaで、Beltran Leyvaの密輸責任者を務めていた」と語った。

 また、同容疑者の車から、マリファナ約5.7キロとサブマシンガン1丁、手りゅう弾2個のほか、「San Pedro Garza Garciaの地元警察官33人の名前が記載されたリスト」を押収したことを明らかにした。San Pedro Garza Garciaはメキシコ有数の経済的に豊かな地域の1つとして知られる。

 地元紙レフォルマ(Reforma、電子版)によると、イベラ容疑者はヌエボレオン(Nuevo Leon)州警察のエリート部隊の元メンバーで、3件の麻薬がらみの殺人事件に関与したとみられている。

 麻薬組織による警察官への贈賄は、メキシコでは珍しいことではないが、7月5日に行われる中間選挙に麻薬戦争が与える影響が懸念されている。フェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)大統領は中間選挙で米国の強い支援の下で麻薬取り締まりを続けていくことに国民の支持を得ることを目指している。(c)AFP