【6月22日 AFP】(一部更新、写真追加)ロシア南部カフカス(Caucasus)地方のイングーシ(Ingushetia)共和国の首都ナズラニ(Nazran)郊外で22日、ユヌスベク・エフクロフ(Yunus-Bek Yevkurov)大統領を狙った暗殺未遂事件が起き、大統領は負傷、少なくとも1人が死亡した。地元報道では死者は3人との情報もある。

 現場のAFP記者によると、大統領の車列が通りがかった際に大きな爆発があり、車3台が被害を受けた。爆発音はナズラニ市内からも聞こえた。

 大統領報道官によると、爆発があったのは現地時間午前8時30分(日本時間午後1時30分)ごろ。大統領は頭部などを負傷し重傷。タス通信によると、モスクワ(Moscow)から医師団が現地に向かったという。

 当局の調べによると爆発物は路肩に駐車していた外国車両に仕掛けられており、TNT火薬70キロ相当とみられる。自爆攻撃の可能性もあるという。

 当局発表では、この爆発で1人が死亡、3人が負傷した。ただ、タス通信(ITAR-TASS)やインタファクス通信(Intafax)などは3人が死亡し、大統領の弟が死者に含まれていると報じている。

 事件を受け、ドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)露大統領は「テロ行為」だと非難した。

 イングーシでは、今月初めにバシル・アウシェフ元副首相が銃撃され暗殺されたばかり。イスラム教徒の多い同国は文化的・言語的に隣のチェチェン(Chechnya)共和国とつながりが深く、イスラム反政府組織と治安部隊との戦闘でここ数年不安定な情勢が続いている。 (c)AFP/Vakha Chapanov