【6月19日 AFP】米ニューヨーク(New York)で女装して死亡した母親になりすまして年金をだまし取っていた男らが、詐欺罪などで起訴された。ブルックリン地区(Brooklyn District)検察局が17日、明らかにした。

 起訴されたのはトーマス・パーキン(Thomas Parkin)被告(49)と、共犯のミルトン・リムロ(Mhilton Rimolo)被告(47)。2人は、パーキン被告の母親名義の年金など社会保険給付金11万7000ドル(約1130万円)を、数年間をかけてだまし取った疑いがもたれており、47の訴因で起訴された。

 パーキン被告の母親、イレーヌ・プルーシク(Irene Prusik)さんは、すでに数年前に77歳で死亡しているが、2人はプルーシクさんの死亡証明書に偽の社会保障番号を記載して偽造し、数年にわたって年金などを受け取っていた。

 また、パーキン被告は女装してプルーシクさんになりすまし、免許証も更新していた。

 犯行の発覚以前、ブルックリン地区にあるプルーシクさん名義の不動産に関する不正捜査で、捜査当局がプルーシクさんに事情聴取を行った際も、口紅をひき、爪にはマニキュアを施し、赤いカーディガンをはおったパーキン被告がプルーシクさんに変装して警察の捜査を受けた。

 米CNNテレビによると、逮捕されたパーキン被告は警察に対し、「わたしの腕の中で母が息をひきとった時、母の最後の吐息を吸い込んだ。だから、わたしと母は一心同体だ」と供述しているという。

 両被告の保釈金は、1人につき100万ドル(約9700万円)だという。有罪となれば、最高で25年の禁固刑が科せられる。(c)AFP