【6月17日 AFP】9.11米同時多発テロ事件の容疑者として拘束された国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)幹部のアブ・ズベイダ(Abu Zubaydah)容疑者が、米中央情報局(Central Intelligence AgencyCIA)の過酷な尋問によりうその自白をしたと主張していることが、米政府が15日に公開した文書によって明らかになった。

 ズベイダ容疑者は、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米政権下で承認された水責めなどの手法を用いて尋問された最初の重要容疑者だ。アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の所在を尋問された際、「話を作った」と同容疑者は片言の英語で説明したという。「彼はどこ?知らない。そうしたら拷問された」

 キューバのグアンタナモ湾(Guantanamo Bay)にあるグアンタナモ米海軍基地の収容施設に収容されている唯一の米国人マジド・カーン(Majid Khan)容疑者も、自身が拷問されたと主張している。

 この文書は、「敵性戦闘員」かどうか判断するために開かれた軍事法廷での記録を未検閲で公開するよう求めて米人権団体「米国自由人権協会(American Civil Liberties UnionACLU)」が起こした訴訟のなかで公開された。公聴会は弁護団にも一般にも非公開で、事前に公表された書類はCIAによって行われた囚人虐待に関連する大部分が塗りつぶされていた。「敵性戦闘員」という言葉はオバマ政権下では使われていない。

 ACLUの顧問弁護士ベン・ワイズナー(Ben Wizner)氏はオバマ政権に対し、拷問に関する更なる文書の公開を求めるとともに、文書全体を公開することを求める訴訟を起こすと述べた。(c)AFP