【5月29日 AFP】ロシア・東シベリア地方のチタ(Chita)にあるアパートで、ペットのイヌやネコと一緒に育ったとみられる5歳ほどの少女が保護された事件で、少女が収容されたリハビリ施設の医師団は28日、少女が正常な生活に慣れつつあると発表した。

 この少女は不衛生なアパートに閉じこめられていたと見られるが、医師がロシア通信(RIA Novosti)に語ったところによると、検査の結果、少女は健康体だという。「唯一の問題は、少女が5歳なのに言葉を話せないことだ。原因は分からない」

 少女の名は、ナターシャ(Natasha)と確認されているという。

 医師によると当初、少女は食事の際、スプーンを押しのけて舌で直接なめるのを好んだ。だが、インタファクス(Interfax)通信はリハビリ施設の職員の話として、少女が次第に人間らしい振る舞いを見せ始めていると伝えている。

 警察は、少女と暮らしていた父親の身柄を一時拘束した。犯罪として捜査するかどうかを検討中だという。

 ロシア通信によると、少女の母親と父親は27日に当局で、それぞれ内容の異なる証言をした。母親は「父親に娘を連れ去られた」と述べているが、一方の父親は、「妻の祖母から少女を育てるように頼まれたから、そうしていた」と話したという。(c)AFP